上がり框とは?
上がり框とは、日本の住宅において玄関のたたきとホールの間に設けられる段差の部分を指します。この特徴的な建築要素は、屋内と屋外の境界を明確にし、靴を脱ぎ履きする際の便利さを提供すると同時に、室内へのホコリや砂の侵入を防ぐ役割を果たしています。
上がり框の高さは、一般的には18cm以下が目安とされており、これは国土交通省の「高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針」に基づいています。また、上がり框の形状や素材は、玄関の広さや収納、動線との兼ね合いで決定され、直線、斜め、L字型、さらには曲線など多様なデザインが存在します。
上がり框のないデザインも近年では見られ、これによりバリアフリーの玄関が実現できますが、その場合は屋外のホコリや砂が室内に入りやすくなるというデメリットもあります。素材に関しては、木や石が一般的で、ホールやたたきと揃えることが多いですが、デザインによっては異素材を使用し、玄関に個性を加えることも可能です。
上がり框は、日本の住宅における重要な機能的かつ美的な要素であり、その設計は住宅の使い勝手や安全性、さらには来客時の印象に大きく影響を与えます。したがって、新築やリフォームを検討する際には、家族構成やライフスタイルに合わせた上がり框のデザインを選びましょう。