IVS(国際評価基準)とは?
IVS(国際評価基準)は、資産評価の分野において世界的に受け入れられるガイドラインを提供することを目的としています。これは、不動産を含むあらゆる主要な資産の評価に関する基準であり、国際評価基準審議会(International Valuation Standards Council, IVSC)によって策定されています。
IVSは、特に評価基準がない新興国や、既に評価基準を持つ国々においても、資産評価の国際的な基準として広く認知されており、国際財務報告基準(IFRS)との関連性も持っています。
IVSは、資産評価に関する基本的な原則、用語、手続きを明確にし、一般的に採用されている評価方法を示すことを目的としています。これには、不動産、機械設備、無形資産、事業と事業権益、金融商品など、さまざまな資産カテゴリーに関する基準が含まれています。また、IVSは市場価格を原価方式、比較方式、収益方式を基本として評価する方法を採用しており、市場参加者の視点からの評価を重視しています。
IVSの策定は、資産評価の透明性を高め、国際的な取引や投資の信頼性を向上させることに貢献しています。企業がIFRSを採用するにあたり、公正価値の測定や財務諸表作成目的の評価において、IVSに準拠した評価が求められることが増えています。これにより、国際的な評価基準に沿った鑑定評価の重要性が高まっているのです。
日本においても、IFRSの任意適用が進む中で、IVSに準拠した評価がますます重要になってきています。日本の不動産鑑定評価基準とIVSとの整合性については、基本的な価格の概念や評価手法においては一致しているものの、用語の定義や評価手順に若干の差異があるため、これらの違いを理解し、適切に適用することが求められます。
IVSは、国際的な評価基準としての地位を確立し、世界中の評価専門家や企業にとって重要なリソースとなっています。資産評価の一貫性と品質を保証するための基準として、今後もその役割は拡大していくでしょう。