目次
技術提案・交渉方式とは?
技術提案・交渉方式とは、技術提案を募集し、最も優れた提案を行った者を優先交渉権者とし、その者と価格や施工方法等を交渉し、契約の相手方を決定する方式です。
技術提案・交渉方式は、施工者独自の高度で専門的なノウハウや工法等を活用することを目的としており、この目的を達成するため、一般的な「工事の施工のみを発注する方式」と異なり、設計段階において施工者が参画することが必要になります。
技術提案・交渉方式の効果
- 厳しい条件下での高度な技術が必要とされる工事等において、最も優れた技術提案を採用することができます。
仕様の前提条件に不確実性がある工事において、追加調査や協議の上、条件・仕様・価格を定めることができるため、施工者にとっては参加しやすく、入札不調のリスクを減らす効果が期待できます。
技術提案・交渉方式適用に当たっての留意点
- 技術提案・交渉方式は、価格競争のプロセスがない(随意契約の一種と位置付けられている)調達を行うことから、技術提案・交渉方式の適用判断、技術提案の審査・評価、価格等の交渉の結果を踏まえた予定価格等の妥当性の確認に当たり、学識経験者への意見聴取を行う等、中立性・公平性・透明性の確保に留意。
- 競争参加者により提案される目的物の品質・性能や価格等に大きな振れ幅が生じることを防ぐため、発注者が目的物の品質・性能のレベルの目安として、あらかじめ参考額を示す場合には、学識経験者に意見聴取を行う等、恣意的な設定とならないように留意。
- 優先交渉権者との交渉によっては、交渉が不成立となる場合があることにも留意。
- 事業の緊急度に留意しつつも、施工者の知見の設計への反映や、リスクへの対応に当たり、必要な追加調査や協議を行うため、十分な技術協力期間、設計期間の確保に努めることが重要であることに留意。
- 仕様が確定しない段階から技術提案を求めるため、技術提案は、定量的な事項、要素技術の有無や提案数よりも、主たる事業課題に対する提案能力を中心に、工事の特性に応じて、理解度、実績等による裏付け、不測の事態への対応力等を重視して評価することに留意。
- 発注者に技術提案の審査・評価、価格や施工方法等に関する交渉等を的確に行える体制を整備する必要があることに留意。