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総合評価落札方式とは?
総合評価落札方式とは、品質確保のために、工事価格と品質を総合的に評価して落札者を選定する方式です。
総合評価落札方式の効果
- 総合的なコストの縮減に関する技術提案、工事目的物の性能・機能の向上に関する技術提案、社会的要請への対応に関する技術提案等が審査・評価の対象となり、これらの技術提案に対する評価が低い場合、落札しにくくなるため、工事の品質の向上が期待できます。
- 企業の施工実績や配置予定技術者の能力も評価することが可能であることから、施工能力の乏しい者が落札することによる、公共工事の品質の低下や工期の遅れ等の防止が期待できます。
- 入札の段階で、施工計画が現場条件(地形、地質、環境、地域特性等)を反映しているか等の審査を行うため、想定される問題を事前に把握することができます。
- 騒音の低減、周辺の環境や街並みと景観との調和などを評価対象にすることができるため、周辺住民や利用者の不便や不満の減少が期待できます。
- 技術的能力や技術提案を審査するため、建設業者の適切な施工や技術力の向上に対する意欲を高め、結果として、建設業者の育成・技術力の向上につながることが期待できます。
総合評価落札方式適用に当たっての留意点
- 技術提案に関して、審査・評価を行う体制が必要である点に留意。
- 価格競争方式に比して手続期間が長期にわたることを考慮した計画的な発注が必要になることに留意。
- 競争参加者に高度な技術等を含む技術提案を求める場合、最も優れた提案に対応した予定価格とすることができるよう留意。また、この場合、技術提案の評価に当たり、中立かつ公正な立場から判断できる学識経験者の意見を聴取する必要があることに留意。
- 技術提案を求める場合には、競争参加者の技術提案に係る事務負担に配慮するとともに、工事の性格、地域の実情等を踏まえた適切な評価内容を設定する必要があることに留意。その際、過度なコスト負担を誘発しないよう、いわゆるオーバースペックと判断される技術提案を優位に評価しないよう留意するとともに、単に提案の数が多いことが優位に評価されることのないよう、求める提案数を明確にする等配慮する必要があります。
- 落札者の決定に際し、評価の方法や内容を公表する必要があることに留意。その際、技術提案が提案者の知的財産であることから、提案内容に関する事項が他者に知られたり、提案者の了承を得ることなく提案の一部のみを採用することがないようにするなど、その取扱いに留意。
- 技術提案に対して提案の改善を行う機会を与えた場合、透明性の確保のため、技術提案の改善に係る過程の概要を、契約後速やかに公表する必要があることに留意。
- 技術提案を求める場合は、その履行を確保するための措置や履行できなかった場合の措置について予め契約上の取り決めを行う必要があることに留意。