維持管理付工事発注方式とは?
維持管理付工事発注方式とは、施工と供用開始後の初期の維持管理業務を一体的に発注する方式です。この方式では、目的物が完成した段階で発注者が工事目的物の引渡しを受け、引渡しを受けた工事目的物に対する維持管理業務の継続的な実施を施工者に求めることになります。
このため、発注に際しては、工事目的物に関する仕様だけでなく、維持管理に関する仕様(点検頻度等)についても提示して発注することになります。
維持管理付工事発注方式の効果
維持管理の容易化を念頭に置いた機器製作・据付調整が行われ、効率的な維持管理となることが期待できます。例えば、通信設備工事において、設備の完成、引渡後に初期の動作不具合等が発見された場合、最初に点検業者による原因調査を行ったうえで、関係者の責任範囲の切り分けが行われるため、その後の修理までに時間を要しています。一方、本方式では、施工と維持管理が一元化されていることから、受注者による迅速な原因調査、責任範囲の切り分けが可能となり、円滑な設備運用が期待できます。
維持管理付工事発注方式適用に当たっての留意点
維持管理の契約は、工事完了後複数年継続するものもあるが、受注者が契約の相手方として相応しくない状況が生じた場合の措置が必要となることに留意。
維持管理段階の業務に関して、当該設備の障害時の支援体制や保守部品の供給体制、発注者からの技術的事項に関する問合せ等への対応体制の確保等を発注に当たっての仕様等で規定する必要があることに留意。