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設計・施工一括発注方式とは?
設計・施工一括発注方式とは、構造物の構造形式や主要諸元も含めた設計を、施工と一括して発注する方式です。
設計・施工一括発注方式の効果
- 設計と施工(製作も含む)を一元化することにより、施工者のノウハウを反映した現場条件に適した設計、施工者の固有技術を活用した合理的な設計が可能となります。
- 設計時より施工を見据えた品質管理が可能となるとともに、施工者の得意とする技術の活用により、より優れた品質の確保につながる技術導入の促進が期待されます。
- 設計の全部又は一部と施工を同一の者が実施するため、当該設計と施工に関する責任の所在を一元化できます。
設計・施工一括発注方式適用に当たっての留意点
- 設計を完了しない段階から、設計と施工を一括して契約するため、地質等の自然条件、地元及び関係行政機関との協議、地中埋設物等の社会条件に関するリスクが大きくなりやすいです。そのため、施工者によりコントロールすることが難しい場合が多いこれらの自然条件・社会条件に関するリスクがある工事には適用できないことに留意。
- 設計と施工を分離して発注した場合と比べて、設計者の視点や発注者におけるチェック機能が働きにくく、施工者の視点に偏った設計となる可能性がある点に留意。
- 契約時に受発注者間で具体的な設計・施工条件の共有及び明確な責任分担がない場合、受発注者間で必要な契約変更ができないおそれがある点や、発注者のコストに対する負担意識がなくなり、受注者側に過度な負担が生じることがある点に留意。
- 発注者側が、設計施工を“丸投げ”してしまうと、本来発注者が負うべきコストや工事完成物の品質に対する責任が果たせなくなる点に留意。
- 提案された技術を対象構造物に適用することについて、発注者が審査・評価を行い、確実性や成立性等を判断する必要がある点に留意。