目次
制度の目的は?
自然的経済的社会的諸条件を考慮して、総合的に農業の振興を図ることが必要であると認められる地域について、その地域の整備に関し必要な施策を計画的に推進するための措置を講ずることにより、農業の健全な発展を図るとともに、国土資源の合理的な利用に寄与することを目的としています。
制度の仕組みは?
- 農林水産大臣は、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴いて農用地等の確保等に関する基本指針を策定します。
- 都道府県知事は、農林水産大臣と協議し、基本指針に基づき農業振興地域整備基本方針を定め、これに基づき、都道府県知事は、 農業振興地域を指定します。
- 指定を受けた市町村は、知事と協議し、農業振興地域整備計画を定めます。
農業振興地域整備計画で定める事項等
ア 農用地利用計画
イ 農業生産基盤の整備開発計画
ウ 農用地等の保全計画
エ 規模拡大農用地等の効率的利用の促進計画
オ 農業近代化施設の整備計画
カ 農業を担うべき者の育成確保のための施設の整備計画
キ 農業従事者の安定的な就業の促進計画
ク 生活環境施設の整備計画
ケ 必要に応じ、イ~クにあわせて森林整備その他林業の振興との関連に関する事項
- 農用地利用計画は、農用地等として利用すべき土地の区域(農用地区域)及びその区域内にある土地の農業上の用途区分を定めます。
農用地区域に含める土地
ア 集団的農用地(10ha以上)
イ 農業生産基盤整備事業の対象地
ウ 土地改良施設用地
エ 農業用施設用地(2ha以上又はア、イに隣接するもの)
オ その他農業振興を図るため必要な土地
- 国の直轄、補助事業及び融資事業による農業生産基盤整備事業等については、原則として農用地区域を対象として行われます。
- 農用地区域内の土地については、その保全と有効利用を図るため、農地転用の制限、開発行為の制限等の措置がとられます。
- 農用地等の確保等に関する基本指針及び農業振興地域整備基本方針に確保すべき農用地等の面積の目標を定め、農林水産大臣は毎年、都道府県の目標の達成状況を公表します。
農業振興地域内の農地転用について
- 農用地区域内の農地の転用については、農用地利用計画において指定された用途に供する場合以外認められません。なお、農用地利用計画の変更(農用地区域からの当該農地の除外)が必要と認められる場合は、農用地利用計画の変更をした上で農地法による転用許可を得る必要があります。
- 農用地区域以外の農業振興地域(白地地域)における農地の転用については、本法による開発規制は行われませんが、農地法による転用許可が必要になります。
農用地区域に含まれない土地など
- 土地改良法第7条第4項に規定する非農用地区域内の土地、優良田園住宅建設計画に従い優良田園住宅の用に供される土地、農村地域への産業の導入の促進等に関する法律等のいわゆる地域整備法の定める計画の用途に供される土地、公益性が特に高いと認められる事業の用に供される土地は、農用地区域に含まれない土地となります。
- 上記以外で、除外の必要が生じた場合は、次の要件をすべて満たすもの
ア 農用地区域以外に代替すべき土地がないこと
イ 地域計画の達成に支障を及ぼすおそれがないこと
ウ 除外により、土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと
エ 効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがないこと
オ 除外により、農用地区域内の土地改良施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがないこと
カ 農業基盤整備事業完了後8年を経過しているものであること - 農用地等を農用地区域から除外する場合は、農用地利用計画の変更手続きが必要となります。
農用地区域の変更を内容とする農用地利用計画の決定に当たっては、関係権利者の意向を反映させるため、農用地利用計画案を公告し、おおむね30日間縦覧するとともに、15日間の異議申出の期間を設けています。
また、農地転用を伴う場合は、農地転用許可処分との整合を保つため、事前に転用許可権者との調整を図ることとされています。