『僅かの時間も無駄にしない様子』を何というでしょう?
①寸暇を惜しんで
②寸暇を惜しまず
正解は・・・①『寸暇を惜しんで』です。
目次
■『寸暇を惜しんで』の意味は?
まず『寸暇』の意味は
ほんの少しのあき時間。
デジタル大辞泉
です。
そして『惜しむ』は
1 心残りに思う。残念がる。「散る花を―・む」「別れを―・む」「人に―・まれて死ぬ」
2 金品などを出すことを、もったいないと思う。出し惜しむ。「わずかの出費を―・んで大損をする」「骨身を―・まず働く」
3 大切に思う。尊重する。「寸暇を―・む」「名を―・む」
4 (「愛しむ」とも書く)愛する。めでる。慈しむ。
「お前を憎み、お前を―・み」〈近松秋江・別れたる妻に送る手紙〉デジタル大辞泉
という意味です。
ですので『寸暇を惜しんで』は、僅かの時間も無駄にしない様子という意味です。
■『寸暇を惜しまず』とは?
『寸暇を惜しんで』の誤用です。『惜しまず』は『惜しむことなく』ですので、僅かの時間も大切にしない(無駄にする)といった意味にもなってしまいます。
『寸暇を惜しんで』と似た言葉で『骨身を惜しまず』があります。意味は
苦労をいとわず。
デジタル大辞泉
で、これと混同して間違えて使う人が増えているのでしょうね。
■最後に。
文化庁の平成22年度『国語に関する世論調査』では、『僅かの時間も無駄にしない様子』を、本来の意味である『寸暇を惜しんで』と回答した人は28.1%に対し、本来の意味でない『寸暇を惜しまず』と答えた人は57.2%と逆転した結果が出ています。
日本人としてしっかり日本語を使いたい方は、寸暇を惜しんで勉強しましょう。