『本心でない上辺だけの巧みな言葉』はどちらでしょう?
①舌先三寸
②口先三寸
正解は・・・①『舌先三寸』です。
目次
■『舌先三寸』の意味。
舌先三寸は、
口先だけの巧みな弁舌。うわべだけのうまい言葉で、心や中身が備わっていないこと。「舌三寸」ともいう。
三省堂 新明解四字熟語辞典
という意味で、『舌三寸』とも言います。
■『舌先三寸』の由来。
短い舌、長い舌など諸説あります。
- 【短い舌説】・・・短い(薄い)というニュアンスから話の内容がない上辺だけの話という説。一寸は約3.03cmですので三寸は9.09cm。日本人の舌の長さの平均は7cm台なので、3寸(約9.09cm)は短いとは言えないと思うのですが、調べるとこの説もよく出てきます。
- 【長い舌説】長い舌はお喋りであるという説。
- 【舌の先三寸説】単に舌の先三寸から出た上辺だけの話という説。
■『口先三寸』とは?
『口先三寸』という言葉はありません。『舌先三寸』の誤用です。『口先だけの人間』などという『口先』と『舌先三寸』を混同してできてしまった言葉です。
■最後に。
『口先三寸』は『舌先三寸』の誤用ですが、誤用で使っている人の方が多いというデータがあります。
文化庁の平成23年度『国語に関する世論調査』では、本来の言い方である『舌先三寸』と回答した人が23.3%に対し、本来の言い方でない『口先三寸』と答えた人が56.7%という逆転した結果が出ています。
どちらが正しいのか分からなくなった場合は、状況により冗舌(じょうぜつ)や二枚舌(にまいじた)などの類語で対応しましょう。